前回は家の断熱性や換気への配慮などから「持続可能性」について考えてみました。
普段の生活の中で省資源や環境負荷の低減をはかることで、自然環境や社会環境の「持続可能性」を担保することができるのではないか、ということについて考えてみたのですが、今回はもう少し「家を建てる」ということにまつわる俯瞰的な位置から「持続可能性」について考えてみたいと思います。
というのも、家というのは、その規模もお値段も、簡単に買い替えができたり、ある程度使ったら捨ててしまえるようなシロモノではありません。だから誰しも、ある程度長い年月その形を保てるものを建てようとされるのではないかと思います。
実はこの考え方こそ、「持続可能性」に大きく貢献できる大きな要素なのではないかと思うのです。
単純に考えれば、家が建てられてから廃棄されるまでの時間が長ければ長いほど、建材などに用いられる資源が消費されるスピードは鈍くなるでしょうし、廃棄されるときに生じる廃材などの廃棄物も減少させることができそうです。
永久に存続する家を建てるなんてことは無理な話ですが、短期間に新たな建て替えを進めてしまえば、どうしても今ある資源をどんどんと消費するしかないのに対して、ある程度余裕のあるスパンで建て替えが行われていく状況であれば、計画性を持った資源の開発や資材の生産を行うことができますし、新たな技術開発を待つこともできる可能性が高まります。
そのためにも、できるだけ長く住み続けることができる家のありかたを考えることが必要になってくることでしょう。
間取り、動線、機能、快適性・・・そこには、ご自身の人生設計や将来的な家族の変遷、あるいはエネルギー消費のあり方や移動手段の確保などなど、数多くの要素を含めて考えなければなりません。
また我が国では特に地震に対する備えも重要になってきますし、近年では自然災害に対する備えも重視せざるを得なくなってきているように思われます。こういった視点も、長持ちする家を建てようと考える際には、必要だと言えるでしょう。
だからこそ、経験豊富なハウスメーカーの意見は、大いに参考になるはずです。
「一生に一度の買い物」ではなくて、「持続可能性」の高い「何世代かに一度の買い物」として考えてみる。そんな視点が、現代におけるよい家づくりの第一歩かもしれません。
(ライターManpukHousing)